2020年01月05日

勘違い読書

bibliophile正月に、名古屋へ持っていって読んだ本が、もう一冊あります。

『本を愛しすぎた男』(原書房 2013年)というのがそのタイトルですが、もちろん自分で買ったのではなく、お客様のお持ち込み品です。店主は、こういう本が出ていたことさえ存じませんでした。

その証拠に、読み進めている間ずっと、探偵もの=フィクションだとばかり思い込んでいたのです。

時折、自分も名を知っている店や、行ったことがある店さえ登場したりするのも、面白い味付けくらいに思って読んでおりました。

しかしフィクションにしては、話の展開が地味です。古書や古書店に関する話題ばかりが続き、店主にとってはそれが面白かったのですが、「探偵小説」としては、カードや小切手の不正使用くらいで、読者はついてくるのだろうかと、心配したほど。

鈍い店主が、本をひっくり返して帯の惹句に目をやったのは、ほぼ3分の2も読んでからでしょうか。「ノンフィクション!」の文字に、ようやく気づいたのです。

小説の道具立てとしては地味すぎる気がした、カードの不正使用による本の詐取も、実際の話だと分かると、俄かに身につまされてきます。一方で、電話で番号を告げるだけで決済できる(今は違うでしょうが)アメリカの認証方式に、驚かされもしました。

「日本の古本屋」でも、カード不正が問題になったことがありました。いや決して過去の話ではありません。これからも、注視していく必要があるでしょう。

楽しむつもりが、思わぬ勉強となった読書でした。

konoinfo at 18:30│Comments(0)

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