2020年01月22日

猫に鰹節(その1)

随分前に市場で仕入れたまま、しまい込んであった明治期の語学書7点を、ようやく値付けして、χ君に「日本の古本屋」に登録してもらうつもりで、値段だけ書いたラベルを一冊ずつに差し込み、他の本と一緒に、帳場近くの棚の前に積みました。

その後、先に入力してもらいたい本が出来たため、家人にそう言づけて、市場に出かけました。昨日のことです。

市場から帰ってχ君の仕事の捗り具合を見、続きを頼もうかと積んでおいた語学書に目をやると、誰かが手を触れた様子です。こんなところに置いたままにしておくべきではなかったと、手に取った拍子に一冊の表紙が開き、挟んであったラベルが見えました。

RIMG41025千円と書かれていますが、その本にそんな値をつけた覚えがありません。調べてみると、その値をつけた本が、なくなっていることが判明しました。

ふと気づいて伝票差しを調べると、書名も著者名もない千円のラベルが刺さっております。どうやら何者かが伝票を差し替えて、買っていったと思われます。

χ君に尋ねると、心あたりはないとのこと。おそらく家人が店番をしている間のことでしょう。もちろん責められるべきは店主の迂闊さ、その不用心にあることは言うまでもありません。

それにしても、誰でもが興味を持つような本ではありません。仮に物珍しさで触れてみることはあるにしても、値札を差し替えてまで手に入れようと考える人は、かなり限られるはずです。無防備に置かれた鰹節を、たまたま通りかかった猫にさらわれたようなものです。

そうだとして一体どんな人物か、その年恰好だけでも覚えていないだろうかと、家人に尋ねることにしました。

konoinfo at 19:30│Comments(0)

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