2020年01月23日

猫に鰹節(その2)

その夜、家に帰ってから、家人に千円の本について尋ねると、古い本を1冊売ったことは良く覚えておりました。

ところで家人は、他人の顔を覚えるのが大の苦手であると自認しています。道ですれ違った人に挨拶されて、どこのだれかが分からないというのは始終だそうです。

そんなわけで、仮にその人物がもう一度店に来ても、きっと分からないだろうと、初めから諦めておりました。

しかしせめてどんな年恰好の、どんな雰囲気の人物だったかくらいは知りたいのが人情です。念のため尋ねました。知ってどうなるわけでもありませんが。

RIMG4101すると家人の口から出たのは、意外な答えでした。良く店に来られ、来るといつも長い時間かけて本を探し、何かしら買っていかれる人なので、また来られれば分かるというのです。

もうずいぶん長い間の、ご常連さんだそうです。その来店が、決まって火曜日の午後なので、店主がお目にかかることは、ほぼないわけです。それでも家人に言わせると、少なくとも一度は居合わせ、値段のついていなかった本に値をつけて、お売りしたことがあるのだとか。

そんな良く見知った方の「犯行」だとすると、ますます対応が厄介になりました。

黙って見過ごすというのも癪に障ります。かと言ってご当人を糾弾するようなことも、したくありません。下手な言い訳を聞かされるのは、もっと辛い。

盗人を捉えてみれば——というやつですね。

konoinfo at 19:30│Comments(0)

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