2020年05月12日

不要不急を語る

少しずつ、自粛の解除が進んでいるのでしょうか。朝の交通量も、心なしか増えてきたように思います。

先日のZoom飲み会でも、連休明けから、神保町の食べ物屋さんで開けている店が増えたと聞きました。人気店は小さな行列ができているとか。

本屋さんでも、休業に疲れて(妙な言い回しですが)ぼちぼち開けようとしている店もあります。いや、すでに営業再開に踏み切ったところも。

そんな動きを感じてか、今日あたり、小店にも様子を見に来られるお客様が、何人かおられました。

扉を開けたまま店の奥で仕事をしていて、たまたまそんなお一人と目が合って会釈すると「まだなんですね」と寂しそうにおっしゃいます。「申し訳ありません」と詫びると「ここに来るのが楽しみなんですよ」と笑顔を残して行かれました。

「がんばってください」と表から、にこやかに手を振ってくださった方もいらっしゃいます。

RIMG4297思いのほか、休業に対する厳しい意見は耳にしません。古本屋のお客様は、心やさしい方が多いのでしょう。一方で営業を続ける店に対して、心ない言葉が投げつけられる例があると聞きました。いわゆる自粛警察というやつでしょうか。

何度も申しますが、営業するのも、休業するのも、それぞれの店が考え抜いての決断です。優しいお客様に甘えて休業を続けていても、心痛むことに変わりはありません。

人生はしょせん不要不急だと、今朝の新聞で養老さんが書いておられました。店主はとてもそこまで悟ることはできませんが、世に不急はあっても、不要はない。そうは思うのです。

konoinfo at 18:30│Comments(0)

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