2020年05月22日

祭りは開けない

今朝、五反田の南部地区会館で開かれるはずだった、南部支部大市会中止の知らせが入りました。6月6日に予定されていたものです。

この時期になっての連絡ということは、おそらくギリギリまで開催の道を探っていたのでしょう。悔しさが伝わってくるようです。

例年、南部の大市は、ふだんの入札会以上に会館狭しと本が積み上がり、人ひとりがやっとという本の谷間の通路は大勢の入札者で動きも取れない―—そんな賑わいが活況を生んできたのでした。

いま盛んに喧伝される「新しい日常」に、そんな大市会をどう適合させることができるのか。さんざん考えて、たどり着いたのが中止という結論でした。南部地区事業部にとっては、甲子園大会の中止にも等しい辛さでしょう。

思えば各地の祭りは、相次いで中止が決まっています。祇園の山鉾巡行もなし。ねぶた祭りも、阿波おどりも、早々中止が発表されました。

大市会は、もちろん古書業者の生活がかかった交換会のひとつですが、一面、祭りのような側面もあります。そしてその祭りを祭りたらしめるものこそが3密なのでした。

東京古書組合ではほかに、5月に開かれるはずだった洋書会の大市会も、規模を大幅に縮小したうえで6月に延期。7月の七夕古書大入札会も、従来の公開下見展観を取りやめ、業者だけの大市会として開催する方向です。

IMG_20200522_152137かくして祭りの要素を削ぎ落すことで、辛うじて許される交換会が、どこまで古本屋の商売を支えてくれるでしょうか。しかし当面は、それに頼らざるを得ないのが現実です。

konoinfo at 18:30│Comments(0)

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