2020年06月29日

不義理な話

『古書月報』などを見ていると、古本屋さんにも文章の達者な人が多いことがわかります。

しかしプロの目にかなって、出版物になるほどの文を書く人は、やはり少しばかりレベルが違うようです。

もちろん内容が興味深いものであれば、編集者の力によって、ある程度は読むに堪えるものになるでしょう。しかし文章の力だけで読ませるのは、恵まれた才能のなせる業としか言いようがありません。

そんな思いを抱かせる同業が何人かいますが、そのひとりが「古書現世」の向井透史君。同業を君付けで呼ぶのも失礼なことですが、子どものころから知っているので、許してもらえるでしょう。

透史君のお父さん、つまり古書現世の創業者は、五十嵐書店で店主の先輩店員でした。といっても向井(父)さんが独立されて、2年ばかり経ってからの店員ですから、一緒に仕事をしたことはありません。

それでも同じ早稲田で催事などを通じ、あるいは飲み会などで親しく話しをし、お宅に招かれて食事したこともあります。そのころはまだ小学生だったはずで、彼の方は覚えていないでしょうが。

その透史君の『早稲田古本屋街』(未来社、2006年)が、お客様のお持ち込みになった中にありました。例によって不義理な店主は、買って読むなどということをしておりません。さっそく本を開いて五十嵐書店の項を読みました。

スキャン_20200629そして、もう一つの不義理を思いました。市場で会う度に「たまにはお出でよ」というオヤジさんに、ついぞ応えぬまま長い年月が経っています。本が出版されてからでさえ、もう14年が経ってしまっているのです。

いつか訪れる機会があるでしょうか。

konoinfo at 18:30│Comments(0)

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河野書店

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