2020年09月27日

筒抜け

RIMG4495一時期、若いオーストラリア人男性が東京組合に加入し、洋書会にも会員として加わっていたことがあります。

英米現代小説初版本や、写真集などを専門に扱っていて、短い期間ですが、神保町に店を構えたこともありました。その頃のことです。

ある日の洋書会だったと思います、憤懣やるかたないという口調で、彼が店主に話しかけてきました。

明治古典会で珍しい本を落札することができ、ほかの落札品と一緒に店に持ち帰ったところ、まだ荷も解かないうちに、知らないお客様が来られ「○○を手に入れたでしょう、譲ってくれませんか?」と迫られたのだそうです。

「どうなってるの?信じられない!」落札価格まで承知している様子だったとか。

市場の情報が筒抜けになっていることに驚き、同時に許せない思いを抱いたようでした。日本人の、とまでは言わなくとも、少なくとも古書組合員の商道徳について、大いに疑問を感じたことでしょう。

このケースでは、市場にいた誰かが個人的に情報をリークしたものと思われますが、今ではSNSなどでふとつぶやいたことが、瞬時に不特定多数に広まってしまいます。

非公開である市場の取引は、部外者にとっては興味深いものですから、ある程度の紹介は宣伝にもなるでしょう。しかし常に、誰かの商売を妨げることにならないかと、充分に気を配って発信しなければなりません。

自戒を込めて思うところです。

konoinfo at 18:30│Comments(0)

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