2020年11月16日

ある転居

京都の大学に学んだ(嘘ばっかり)のですけれど、同級生や友人に京都の人は、それほど多くありませんでした。

よそ者なら下宿生同士、夜の時間も気ままに遊び歩けたというのが、一つの理由ではあるでしょう。大学生とはいっても親元から通っている身とは、自由度が違ったのです。

RIMG4555そんな貴重なジモティーが、また一人、京都を離れてしまったことを知りました。

久しぶりの手紙に何事かと封を切ると、宛名こそ手書きでしたが中身は印刷された転居案内。他には何のメッセージもありません。

松永静心堂という屋号で三代続く顔彩、棒絵具の製造販売を手掛けてきた家。中京区は押小路間之町の古いしもた屋に店を構えていました。

店といっても小売りではなく、ほとんどが卸だそうで、それなら確かに京の真ん中にある必要もなくなっていたかもしれません。

しかし10年近く前、久しぶりに尋ねた折、眠ったような家並みにふさわしい商売だと、感心したものでした。

転居先は岡山市郊外の里山と接するあたりのようです。住所をGoogleで検索すると、なだらかな丘陵地を背に、人家が点在している画像があらわれました。

文面によれば、その地で商売を続けるとのこと。京の町屋も捨てがたかったですが、新たな環境もまた彼と、その商売に似合いそうです。

コロナがなかったら、すぐにも押しかけてみたいようなところです。

konoinfo at 18:30│Comments(0)

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