2020年11月22日

謎とその答え

フランスの古い演劇雑誌が30冊ばかり。ヤケが強く、紙ももろくなっていて、表紙が取れたものも多い。

なぜこんなものが今まで塩漬けにされていたのかと、1冊ずつ手にとって見て行くと、やがて扉の隅にペン書きの文字が目に入りました。

RIMG4570仏文系古書を扱う人にはお馴染みの字体で、Kazuo Watanabeと書かれています。それが捨てきれない理由だったのでした。

本を処分するというだけでも古本屋にとっては辛いことですのに、かの渡辺大先生の旧蔵本となれば、御神札のごとく捨て難い。

かと言って売り物にできるほど本の状態がよくありませんから、悩んだ末、塩漬けにしたものでしょう。

しかし見て行くと、その書入れに1930年代の日付のあるものと、1973年のものとがあります。

しばらく何故だろうかと考えこまされましたが、やがてその謎が解けました。1973年の方に a monsieur Honjo と書かれた1冊を見つけたのです。

店主は20年以上前、その Honjo さんの旧蔵書を、ご遺族からお譲りいただいたことがありました。この雑誌は、その時に手に入れたものだったというわけです。

ちなみに Honjo さんあての著名人の書簡などが市場に現れることがありますが、店主が買い取らせていただいた中には、残念ながら、そうしたものはございませんでした。

konoinfo at 18:30│Comments(0)

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