2020年11月28日

贋物の疑い

一昨日お客様の所からお預かりしてきた扁額2面を、明治古典会のクリスマス特選市の目録に出すために、写真を撮ることにしました。

苦労して撮ったのですが、表面がアクリル板のため、こちら側が写り込んでしまいます。写り込みがなるべく目立たないものを使うことにしようと、画像を見ているうちに妙なことに気がつきました。

2面は異なる人物の揮毫ですが、一方の書に添えられた署名の字面が変なのです。

そう気づいてあらためて全体を見直してみると、何やら文字に精彩がありません。書道音痴の店主が言うのもなんですが、どうにもバランスが悪い。

とても偉人の自筆とは思えなくなってきました。

そうなると、もう一方も心配になります。じつはそちらの方こそ、より贋物が多いとされるもので、それだけに真筆と判定されれば高値が期待できるものです。

しかしこちらは、店主が眺めたくらいでは良し悪しが分かりません。ということは、市場に出して入札者の判断に委ねることも許されるだろうと考えます。

RIMG4575店主でさえダメと感じる1面については、とても目録に出す気にはなれません。それでもお客様からお預かりしたものですから、単に「扁額」と表記して出品しようと思います。

ただし、これを飾られていた方が、店主より書に疎いとも思われませんから、店主の勝手な思い込みである可能性もなくはありません。

konoinfo at 18:30│Comments(0)

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