2021年02月15日

眺めの良い部屋

晴れて暖かな日になった先週土曜日のお昼前、半そでTシャツ姿の若い外国人男性が、ダンボール箱を抱えて店に入ってきました。

初めて見る方です。どうやら本のお持ち込みらしいので、ともかく箱を、手近な床に置いてもらいました。先客の応対を済ませて箱の方へ向かうと、手のひらを上にして「どうぞ」と男性。

ふたを開けて、ようやく気が付きました。1週間ばかり前に、お電話をいただいた方です。

その電話、「英語で話していいですか?」との問いかけに曖昧な返事をすると、いきなり英語が始まりました。処分したい本があるとのこと。どんな?と尋ねるとBritannicaのGreat Booksが20冊とのお答え。

良く知っている本ですが、状態も、どんな巻があるかも問題です。揃いなら54冊だったはずですから。そんなことを申し上げると「写真を送りますか?」「では当店のアドレスを申し上げます」。

待つことしばし、一向にメールが入りません。やがて再度お電話。メールは送ったとのこと。ふと気づいて迷惑メールフォルダを開くと、入っておりました。

本の状態はまずまず。しかし高い値は付きません、どちらかといえばディスプレイ用。もったいない話ですが。

買い取り価格を申し上げると一瞬絶句されたのち「ほかの本屋に聞いてみても良いか?」と疑問形です。「どうぞどうぞ」とお答えし、それでこの件は終わったものと思っておりました。

「ほかで買ってもらえなかったの?」「いえ、聞くのやめました。この素敵な店に売りたいと思って」

fineview達者に日本語を話されます。それで、店主もお返しに「とても眺めの良い部屋にお住まいですね」。本よりも、高層マンションの窓からの景色が、印象に残っていたからでした。

konoinfo at 18:30│Comments(0)

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河野書店

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