2021年05月07日

知らないことばかり

一週間ぶりの市場。今日の明治古典会も、出品点数、量とも控えめ。これがコロナ禍の影響というだけなら、まだしも救われるのですが。

例によって今日もまた、短時間しか市会場にいられなかった店主ですが、その中でふと目に留まったのは、小さなボール箱に入った20枚ほどの写真でした。昭和30〜40年代に写されたと思われるもので、被写体は主に小説家。

一目見てすぐ誰だか分るものもあれば、裏に書かれている名前を見ても、聞いたこともない人だったりするものも数多くありました。店主の知識の乏しさはひとまず措いて。

そいういえば現在『日本古書通信』で、八木古書店古書部が「近代日本文人の葉書」と銘打った販売目録をシリーズで掲載しています。

RIMG4846現社長が長年にわたって「半ば私的な楽しみ」として収集してきたものだと伺ったことがありますが、心機一転、それらを公開しつつ販売することに踏み切ったもののようです。

4月号が第9回。毎回48点とすると、すでに400点を超えることになりますが、五十音順でまだようやく「か」の部が終わろうというところ。

そしてこちらも今日見た写真と同じように、今回の48人の中に、その名さえ初めて見る人が19人いました。

そんな自らの無知をさらに思い知らされたのが、同号の巻頭記事。シリーズ目録の一月号掲載分から「火野葦平宛大石千代子葉書」なる1枚を購入されたという研究者の書かれた文章です。

火野はともかく大石は、店主にとって初めて耳にする作家です。そんな1枚の葉書から、これだけの資料性を見出す方もおられることを知り、古本屋という仕事の持つ意味について、改めて考えさせられたのでした。

konoinfo at 18:30│Comments(0)

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